特別企画


特別講演ポスターコンクール

特別講演

長崎大学理事・副学長、福島県立医科大学副学長 山下俊一教授

『東京電力(株)福島第一原発事故と健康リスク管理』


東京電力(株)福島第一原発事故では、急性放射線障害は皆無であったものの、従来からの事故対応の訓練や緊急被ばく医療ネットワークの準備をはるかに凌駕し、放射性降下物による広範囲な環境汚染と甚大な精神・社会心理的な影響を引き起こしました。特に、低線量の放射線影響に関する風評被害、偏見、差別などが依然として問題となっています。福島県では全県民の健康見守り事業が、事故2ヶ月後の5月には福島県立医科大学と県が主導性を発揮し、国の復興支援の中で立ち上げられています。

本講演では、チェルノブイリ原発事故と福島原発事故の相違点と国際機関による健康影響の評価概要を紹介し、県民健康管理調査事業については、外部被ばく線量の推計結果、甲状腺超音波検査、健康診査、こころの健康度・生活習慣調査、妊産婦調査の意義と内容の一部を紹介します。長期にわたる県民の健康見守り事業が、福島県の復興と再生の一助になることが期待されています。

山下俊一教授 略歴

(長崎大学理事・副学長/福島県立医科大学副学長)

1978年3月長崎大学医学部卒業。1984年7月UCLA Cedars-Sinai Medical Center内分泌研究員として3年間留学。1990年10月長崎大学医学部教授。2004年12月からWHOジュネーブ本部放射線プログラム専門科学官2年間。2009年4月から長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長。2011年3月18日から福島県立医科大学特命教授。19日福島県放射線健康リスク管理アドバイザー就任。同年7月15日より長崎大学を休職し、福島県立医科大学副学長。2013年4月より長崎大学復職し理事(国際・附置研究)/副学長(福島復興)。現在、福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター副センター長。福島県放射線健康リスク管理アドバイザー。2011年朝日がん大賞、2012年生存科学「武見記念賞」、2013年カザフスタン国セメイ市「名誉市民」称号など受賞。

ポスターコンクール

九州地区総合技術研究会 in 長崎大学では、ポスター発表の技術向上を目的として、参加者全員が審査員として投票して頂くポスターコンクールを計画しております。

投票により優秀者になられた方は、情報交換会において表彰致します。ポスター発表にも奮ってご応募下さいますようお願いします。